2012年4月1日日曜日

男と女のタネあかし


男と女のタネあかし
♂と♀の心をひも解けば…
男と女のタネあかし
Q & A

文/エッセイスト、コピーライター/佐々木厘乃


Q 男からの質問
なぜ、女は二股をかけられないのか?
(俺はできるけどなぁ。
相手さえいれば3人でも4人でも・・・)

A   女の場合、「ひとりの恋人」と「その他の大勢の男たち」の境界線が実に明瞭です。
   セックスの相手も基本的にひとりいれば、事足ります。それはひとつの卵子が1番目に到着した精子を受け入れたら、
   「はい、これにて終了!」とシャッターを閉めるのに似ています。実際には2番手、3番手につけていた精子との
   大差はなく、たまたまタイミングよく、滑り込んできた1匹を受け入れ、後はシャットアウトしただけなのですが、
   このたまたまが大事なんですね。

    甲乙つけがたい魅力を感じながら、タッチの差で彼氏にならなかった男に対しては「別にアナタでもよかったんだけど、
   ま、縁がなかったということで。でも、いい奴だから� �達でいようね」という感じです。
   女は実に潔く、恋人と男友達の境界線を引きます。男のように「A子を選んだけど、できたらB美ともつきあいたい。
   C子は友達だけど、チャンスがあればいっちゃうだろうな」といった優柔不断さはありません。

    では女の一途さ、潔さはどこからきているのか?それはふたりの男と同時につきあって、仮に妊娠した場合、
   どちらの子どもか分らないという危機を避けようとする本能だと思います。
   ある心理学者が言うには、妊娠した女性は胎児と自分を同一化するそうです。
   だからルーツの判らない子を体内に宿すことは「私は何者か?」というアイデンティティーの不安を呼び寄せます。
   それは想像するだけで、かなり不気� �な存在です。

    そうは言っても二股をかけたり、浮気する女性って最近、増えていますよね。
   でもそれは「たったひとつの特別席にどの男を座らせようか、あれこれ物色している段階」という気がします。


Q 女からの質問
なぜ、男は自分より背が低くて
自分より学歴が低くて
自分よりセックス経験が
少ない女性を恋人にしたがるの?

A   男性は学歴、仕事において、自分よりレベルの高い女性を恋人にすることを敬遠します。
   また恋愛経験が豊富な女もイヤなようです。「バカな女ほどかわいい」と男が言うと、女性陣からブーイングが
   起こりますが、でもそれが「バカな女ならば、少なくとも自分がバカにされることはないから」という
   コンプレックスから出てきた言葉なら、少しは許してあげてもいい気がします。実際、女性を見下す発言をする男や、
   亭主関白で威張っている夫は、職場で劣勢に立たされていたり、本当は自分に自信のない人が多いようです。

    それを裏付けるように「高学歴で社会的地位の高い男性ほど、
   女性が社会進出することに賛成する傾向に ある」とのデータがあります。
   これは「彼女が社会的成長を遂げても、俺は追い越されない自信も能力もあるぞ」という余裕の表れなのでしょうか?

    とにかく男は恋愛においてさえ優劣を意識するので、時として学歴も能力も魅力も備えたスーパーウーマンに
   彼氏ができない、といった事態が起こります。でも女たちは「別に自分より学歴が低くても、恋愛経験が
   少なくてもいいのに・・・」と思っているもの。要は男のプライドの問題なんですね。

    そういえば以前、こんなことも。主人が新しいプロジェクトのチームを組むことになり、
   初めて顔合わせしたと言うので「どうだった?」と聞くと「〇〇っていう男が一番デキル奴で、
   その次は〇〇、後は大し� ��ことない連中さ」という答えが返ってきてビックリしました。
   私なら新しいメンバーを紹介されたら、「誰と気があうかなぁ」ぐらいしか思わないでしょう。
   (男の世界って疲れそう。せめて妻の前ではランキングをやめなさい。)

参考文献
「優しい男の[本心]が見抜ける本」
斎藤 勇著(大和書房)

Q 男からの質問
なぜ女は男をふっておきながら、
被害者になりたがるのか?
(オレだって傷ついているのに!)

A   女は狩猟生活の頃から家を守り、夫や子どもの心身の状態に気を配り、
   人間関係を円滑にさせる役割が求められてきました。
   だから、ちょっとした言動から人の心を察知できます。
   自分が察知できるから、男もできて当然と思っています。
   だけど男は「今日は生理でブルーだから、食事の用意を手伝ってほしい」ことに全く気づきません。
   顔の表情、声のトーン、些細なしぐさ等のデータを総動員して、人の心理を読み取る能力が低いのです。
   鈍感な男に対し、女は「私に関心がないの?」と思います。
   「いつも私ばっかり気遣って、いたわって、母親役をしているみたい」と。
   やがて「私がこんなに思っているのに� ��」と被害者意識が生まれると、母親役に疲れ、突然別れを切り出します。
   女が被害者感情を持つのは「自分ばかりが男に愛情を注いできた」と思うからなのです。

     話は変わって、作家サマセット・モームは「女は四六時中、恋ができるが、男は時々しかできない」と言っています。
   思うに女が24時間、恋ができる理由は思考回路がマルチモードだからかも知れません。
   女は俗にいう「ながら」族です。テレビを見ながら、料理を作りながら、同時に彼と電話でおしゃべりもできます。
   それに対し、男は一度にひとつのことしかできません。深夜まで飲んで帰ってきた夫に
   「遅くなるなら電話ぐらいしてよ!」と妻は怒りますが、男はワンモードのため同僚と飲んでいる最� ��に、
   並行して妻のことを思い出すことができないのです。要はすっかり忘れているのです。
   こういう時も女は被害者的になります。しかし、だからと言って女に比べ、男の愛情が薄いと本当に言えるのでしょうか?
   むしろ別れた時、猛烈な寂しさや後悔で自意識がズタズタになるのは男の方です。
   彼らは落ち込む時もワンモードですから・・・。


"どのように性的に"

Q 女からの質問
なぜ男は社会的地位や肩書きを欲しがるの?
(仕事もいいけど、もっと家庭を大事にしてよ!)

A   昔から「男は世界を征服したいと願いながら大きくなり、女は男を征服したいと思いながら大きくなる」と言われてきました。
   ほとんどの男は妻や家族に認められるより、社会に認められたいのです。
   今年に入って、野球の佐々木主浩選手が子どもに「パパ(日本に)残ってと言われたから」という理由で、
   メジャーリーグからの引退を表明し、世の奥さま方の好感度をアップさせましたが、
   男からは「なんだよ、世界の大魔神なら、とことんやれよ!」との憤慨の声もあったようです(特に50代より上の世代)。
   男たるもの仕事が命。競争して頂点を目指すべきだ、という社会通念が根強くあるのです。

    では、なぜ男はそれほどま でに仕事に生き、競争したがるのでしょう?
   それは単純にテストステロン(闘争的、攻撃的性格を形成する男性ホルモン)によるものとも言えますが、
   何だかんだ言っても男は仕事でしか存在理由を示せない生き物なのではないでしょうか?

    よく「女三界に家なし」と言われますが、実は男の方こそ自分の居場所がないのかも知れません。
   サラリーマンの男性ならば「僕の代わりは他にいるんじゃないか?」という危機感と常に闘っています。
   女性の場合はたとえ「キミの代わりはいくらでもいるよ」と上司に言われても
   実の子に「お母さんの代わりはいくらでもいるよ」とは決して言われません。
   特に幼児期の母親に対するストーカー的な執着と欲求ときたらウ ンザリするほどで
   母になった女性はウンザリするほど存在理由が満たされているのです。
   男にはそのような絶対的なアイデンティティーがありません。
   だからこそ地位や肩書きに執着し、「自分の代わりはいないぞ」ということを示したいのかも知れません。


Q 男からの質問
なぜ女はおしゃべりなのか?
(妻の退屈な話を聞くぐらいなら
テレビを見て情報収集していた方がマシだ!)

A   女性にとっておしゃべりはコミュニケーションそのものです。
   話すべき内容がなくても、喋り続けること自体に意味があります。
   だから時としてどうでもいい話(〇〇ちゃんのご主人がどうしたこうした、といったウワサ話)をだらだらします。
   でも、それを聞く男性は「その情報がオレにどう関係し、何の利益をもたらすんだ?」と思っています。
   男にとって会話とは「データベース化できる有意義な情報交換」か、「結論を出すための話し合い」か、
   あるいは「気の利いたジョーク」に限る、と思っています。

     だけどそんな男の会話は女に言わせると「オレはこんなに物知りなんだぞ、といった自慢話」か、
   「自分の� ��見を通すための論争」か、「オヤジギャグ」にしか聞こえないことも…。
   男と女の会話は、根本的に目的がズレているのです。

     女性にとって会話とはセックスよりも大切な、親睦を確かめ合う行為です。
   「会話がないから」を理由に離婚を申し出る女性も実際にいます。
   ですが男性のなかには、基本的に人と話すこと自体が苦手という人も少なくありません。
   口が達者な女性に対し、「いつも言い負かされてしまう」、「女性と会話を弾ませることができない」と
   劣等感を持っている男性もいます。女にとって理想の夫婦とは何でも話し合える、会話の絶えない関係ですが、
   男は「あ・うん」の呼吸でお茶が出てくる、喋らなくてもいい関係を望んでいる場合� ��…。

    でも会話なしに人間関係は維持できませんね。
   男は女のおしゃべりに付き合う努力を、そして女は男にとって有意義な話をする努力をしましょう。


Q 女からの質問
男はなぜ、浮気をするの?
(いいかげんにしてよ、このスケベ男!)

A   男性にとって子づくりとは、数分間の性行為だけです。それに対し、女性は10ヵ月の妊娠で体力を消耗し、
   出産後も何年かは子育てで行動を制限されます。ロクでもない男との一回の過ちで、数年をムダにする恐れがあるのです。
   このリスク回避の本能が原始時代からインプットされているため、女性は浮気(セックス)に慎重になるのでしょう。
   でも、このリスクさえなければ、女も浮気したいのではないでしょうか?地球上のすべての生物は利己的遺伝子をもっており、
   自分の遺伝子を後世にできるだけ多く残したがっている、と言われています。
   この本能は男女ともに持っています。でも実際は子育ての負担が少ない性の方が本能のままセッ� �スします。
   その証拠にタツノオトシゴや鳥類の一部は、メスは卵を産むだけで、あとの子育てはほとんどオスの役割なのですが、
   それらの種の場合、セックスに慎重なのはオスのほうでメスは不特定多数のオスを誘惑します。

     だから、もし女性の妊娠期間が1ヵ月ぐらいで、生まれて半年もすれば自力で生活できるなら、
   女性は何人でも子どもを産みたがるでしょう。
    しかも父親がそれぞれ違う子どもを…(種の混合は多様なほど、生き残る確立も高いのです)。

     話は変わって、女はよく「体の浮気は許せても心の浮気は許せない」と言いますが、
   男の場合、心よりも体の浮気の方が許せないようです。
   これも利己的遺伝子のなせるワザ !? 妻が職場の上司に思いを寄せるより、
   たった一度、行きずりの関係を結ぶことに激怒する男たち。そのこころは…「種づけする権利はオレにある…」

参考文献
「女にいらだつ男 男にあきれる女」伊藤 明著(扶桑社)
「母親よりも恵まれた結婚ができない理由」岩月謙司著(二見書房)

Q 男からの質問
なぜ、女はやさしい男が好きなのか?
(うわべだけやさしい男が、モテるなんて許せねぇ!)

A   男性雑誌に「恋人に愛されるための10の秘訣」などという特集記事はありません。
   それに対し、女性雑誌には「愛されるためのノウハウ」がぎっしり詰まっています(愛らしく見せるためのファッションも含めて)。
   では、なぜ女性はそれほどまで愛されたがるのでしょう?それは将来子どもに無償の愛を注ぐためかも知れません。
   無償の愛を提供するには、まずは徹底的に愛されなければなりません。
   女性は愛を受ける受け皿も、愛を注ぐ容量も男性と比べ、ケタ外れに大きい気がします。
   女性がより多くの愛をインプットしたいのは、それだけ他者に愛をアウトプットしたいからです。


OTは女の子に尋ねるか

    そのように愛に貪欲な女たちは、いつも「どっかに愛が落っこちてないかなぁ」と思いながら生きています。
   愛を求めてさまよう女にとって、時には見せかけだけのやさしさが有効な場合もあります。
   だけど大抵の男たちは、まめまめしく電話をしたり、プレゼントを渡したり、髪を切った時、すぐに気づいてホメる男を
   「見え透いたやさしさで女の気を引きやがって!」と嫌悪します。
   だけど女は「愛に生きる性」なので、愛の火を絶やさないよう、こまめに薪をくべてくれる人を身近におきたがります。
   たとえ男のやさしさが表面だけで中身が伴っていないことに薄々気づいていても、薪は薪。
   「愛� �ているよ」と言われれば、これ幸いと、せっせと火の中に薪を取り入れようとします。
   本物の愛が手に入らない時は、せめて「愛の錯覚」だけでも欲しいのです。バカみたいですね。
   でもそれは男がたいして好きでもない人とセックスしても、それなりに満たされるのと同じです。


Q 女からの質問
なぜ、男は昔の恋人と再会した時
「もう一度セックスできるかも…」と思うの?

A   女の友情はこまめに連絡を取り合い、近況を気づかいあうことで成り立ちます。
   それに対し、男は「アイツとはもう何年も会ってないけど一番の親友さ」などと自慢げに話をします。
   5年ぶりの同窓会でも男たちはすぐに打ち解け、ジョークを飛ばしあい「相変わらずだなぁ」と肩を叩き合います。
   そのように男の友情がブランクを経ても成り立つのは、少年時代より何も変わらない生き物だからかもしれません。

    男は「変わらないこと」を誇りにし、女は「変わったこと」を誇りにすると言います。
   実際、女性は5年もすれば外見も中身も変わります。
   新しい恋人ができると相手の考えを理解し、その世界に融合することを喜んで受け� ��れるため、
   無意識のうちに新しい男好みの女に変わります。
   だから昔の男から「お前、変わらないよなぁ」と言われると女はカチンときます。
   女が昔の男と再会し、ホテルになだれ込むのは今の男に満足していない時だけです。

    一方、男は今の彼女に満足していても昔の女と再会すると「セックスしたい」と思います。
   もしかしたら本気で望めば、いつでもセックスできる相手だと思っているかも知れません。
   一度、固く結ばれた友情が数年のブランクを経ても切れることがないように、
   過去に深く愛し合った女が完全に自分のことを嫌いになるはずがないと思っています。
   また、一度下した決断を簡単に覆さない男は、「オレがかって愛したいい女� �、今でもいい女に違いない」と
   思いたがります。だけど女は違います。変わっていくのです。
   あなたが好きだったあの頃の彼女はもういないのです。

参考文献
「子どもを愛する力」をつける心のレッスン
岩月 謙司著(講談社)

Q 男からの質問
なぜ、女は誰かが離婚すると、
その原因をききたがるのか?
(そんなプライベートな話、
オレは興味ないけどね!)

A   数ヶ月前、こんなことがありました。
   喫茶店でお茶を飲んでいたら、隣のテーブルから5人の女性グループの会話が聞くともなく聞こえてきました。
   どうやらそのうちのひとりが最近、離婚したようです。
   するとその友人に対し、他の女性たちが「離婚の原因は?」、「家のローンはどうするの?」と根ほり葉ほり聞くのです。
   私は「げっ、興味本位でそんなこと聞くなよ」と思ったのですが、驚いたことに聞かれた本人はふっきれているのか、
   それらの質問にきちんと答え、修羅場の内情をベラベラとしゃべり始め、そして最後はスッキリした様子だったのです。

    こういうことは男の世界ではありえないと思います。
   こんな 光景を見たら男はきっと「女の友情って、えげつな〜」と思うでしょう。
   男の場合、どんなに親しい間柄でも、離婚の原因などプライベートなことは聞かないのが礼儀だと思っています。
   それは自分のことは自分で処理するというルールが彼らの世界にあり、また弱みを見られたくないという
   男であるがゆえの「繊細な強がり」を互いに認識しているからこそ、距離をおこうとします。

    話を戻して女の場合。芸能人の離婚記者会見の時、「そんなことまで言わなきゃいいのに」と思うほど
   内情を赤裸々に打ち明ける女性がいます。そして、そういう番組を見たがる視聴者も女性です。
   おそらく本人は話すことで何らかの浄化作用があることを無意識のうちに知っているので� �ょうし、
   聞く方も自分が聞きたくてそうしているようです。だけど男たちが「えげつない」と思うほど、
   女たちに悪意はありません。ただ女の人生は赤裸々なだけです。


Q 女からの質問
なぜ男は、「私のどこが好き?」と聞くと、
困った顔をして返答に窮するの?

A   男は女ほど人間に興味がありません。というより男は社会的な生き物なので、人間個人より
   むしろ人間が形成する社会や現象、歴史などに興味があります。
   それに対し、女は身近な人たちの心の動きに敏感で、自分との関係を絶えず分析しています。
   「私のどこが好き?」…女がよくする質問に象徴されるように、女は愛を分析したがります。
   一方、男の愛は分析や解説を必要としません。ふだんは理屈っぽい男たちですが、
   こと恋愛に関してはとっても単純でピュアなのです。

    愛を分析し、こねくりまわすことを趣味にしている女もいますが、それはあらゆる角度から
   愛を味わおうとする貪欲な人間がすることで、単純な� ��たちは愛する人に多くを望みません。
   「ただ微笑んでそばにいてくれればいい。愛を確かめ合いたい時は単刀直入にセックスすればいい。
   それ以上、何を語れというのか?」。それに対し、女は詰め寄ります。
   「ただ微笑んで、セックスさせてくれればいいですって?私はお人形じゃないのよ。
   従順な女なら誰でもいいってこと?あなたにとって私は何なの?私のどこが好きか言ってみてよ!」。
   だけど単細胞のアメーバー男がこんな難しい質問に答えられるはずがありません。

    また男は、あらゆる人間関係において見つめ合うことより、一緒に何ができるかに興味があります。
   「行動こそがすべて」「考えるヒマがあったら手を動かせ」という発想を好みます� ��
   だから「私のどこが好き?」と聞かれると男たちは困惑し、言葉に詰まったあげく行動に移します。
   つまりキスをし、押し倒す。すると女は「何よ!私の体だけが目当てなの?」と激怒し、男はますます困惑します。


痛みのビデオの女性支配のスレーブ·男性
参考文献「嘘つき男と泣き虫女」
アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ著
(主婦の友社)

Q 男からの質問
どうして、女のイジメの手法として
「無視すること」が有効なのか?

A   「いじめ」は子供社会に限ったことではありません。悲しいことに職場やご近所づきあいなど、
   大人社会でも起こります。さらに情けないことは、その手法が子どもも大人もさほどかわらないことです。
   だけど、どうも男と女では手法が違うようです。
   例を挙げれば、女のいじめは「相手を無視する」「口を聞かない」というのが常套手段ですが、
   男のいじめは直接、手を下したり、因縁をつけたりします。

    では、なぜ女はいじめる時、「無視」という手法をとるのでしょう?
   理由は簡単、直接、手を下すより、相手にダメージを与えるからです。
   女性は人とのつながりを何より大切にします。相手に関心を持ってもらわな� ��と、自分の存在価値を疑い、
   途端に不安になる生き物です。「愛の反対は憎しみではなく、実は無関心なのです」と言った
   マザーテレサの言葉のように、誰からも関心を持たれず、存在を無視されることは女性にとって、
   立ち直れないほどの致命傷となります。

    だから女の場合、ケンカしたり、言い合ったりしているうちは大丈夫、無視よりマシ、という部分があります。
   相手に何か働きかけているうちは、少なくとも相手に関心を持っている証拠なのです。
   女が相手を非難する最終通告は「無視すること」。女は黙りこむ時が、一番怖いのです。

    なのに夫は、妻が面と向かって不満を口にしなければ「すべてうまくいっている」と勘違いしがちです。
    「小言ばかり言っていた妻が急におとなしくなった。どうやら嵐はすぎたようだ。ヨカッタ、ヨカッタ」と
   胸をなでおろしている男性がいたら要注意です。
   女は完全に男を見限って、黙々と離婚の策を練っているかも知れません。


Q 女からの質問
なぜ、男は強がりなの?
(辛いときは辛いって
言えばいいのに…)

A   男性は強がりです。たとえリストラされても「あんな会社こっちから辞めてやったんだ」と言い、
   ケガをして血を流しても「大したことないサ」と笑っています。
   手に入らないブドウを「あのブドウは酸っぱかったのサ」と言うキツネのように自分の弱さや負けを認めません。
   なぜ男はこんなに強がりなのでしょう。それは男が本当は弱くてもろいからかも知れません。

    女の場合、「弱さの中に強さがあり、強さの中に弱さがある」といった具合に、弱さと強さが混在し、
   溶け合っている気がします。でも男の場合、弱さと強さが相反し、完全に逆のベクトルを向いているようです。
   だから「強い自分でいられる時はいいけど、気弱に なったら逆の方向に向かって、
   とことん弱くなるかも知れない」と彼らは恐れているようです。
   男が心のタガを外し、弱音を吐くことは自我の崩壊(あるいは開放)につながるほど重大なことなのです。

    また彼らは「常に強い自分でいなければならない。恋人に泣き言を言ったら、情けない男だと軽蔑される」とも
   思っています。でも女は「辛いなら辛いって、素直に言えばいいのに」と思っています。

    そうは言うものの、女性は愛する男を「尊厳ある男」として愛し続けたいのなら、
   強がっている彼を本当に強い人間のように振舞わせてあげるといいでしょう。
   「強がってバカみたい。素直になれば?」と言いたくなる気持ちはわかりますが、
   男� �強がりに付き合ってあげるのが、女のやさしさではないでしょうか?
   「ブドウは酸っぱかった」と彼が言うのなら、「そうね、きっと酸っぱかったよね」と軽く受け流すのが正解です。
   だって彼らは強がってないと、今にも泣き崩れそうなのですから。

参考文献
「女にいらだつ男 男にあきれる女」
伊東 明著(扶桑社)

Q 男からの質問
なぜ、女の話はとりとめなく
一方的で愚痴っぽいのか?

A   時々、女性同士の会話を聞いていると、それぞれが自分勝手に話したいことを一方的にしゃべり、
   全く話がかみあってないのに、なぜか場は盛り上がり、本人たちは満足している、と不思議に思うことがあります。
   女性の場合、とにかく「私の話を聞いてほしい」という思いが強いようです。でも自分の話ばかりすると、
   相手がうんざりすることぐらい自覚しているので、「ねぇ、私の話を聞いてちょうだい。
   その代わりあなたの話も聞いてあげるから」といった感じで、互助精神のもと、話の聞き合いをしている気がします。

    ではなぜ、男性のように意見を交換する会話ではなく、女性はこれほどまでに自分の気持ちを話したがるのでしょう� �
   それは女性にとって話すこと自体がストレス解消だからです。男性にとって愚痴にしか聞こえないネガティブな会話も、
   実は悲しみを吐き出しながら自分を癒している前向きな行為だったりするのです。
   そして、ひとしきり話をしてスッキリすると、今度は話を聞いてくれた相手に感謝します。
   「聞いてくれてありがとう。じゃあ、次はあなたの番よ。」そんな風に、今度は聞き手だった女性の一方通行な話が始まるのです。

    話したがりの女性たちが、聞き手に求めるのは「そうそう」とか、「わかるわ、その気持ち」とか、適度な合の手だけ。
   必ずしも具体的なアドバイスを求めているわけではありません。だから姑とのいざこざを愚痴る妻に対し、
   「僕が解� �策を導かねば」と必要以上にプレッシャーを感じなくてもいいのです。
   まずは女性の話に耳を傾けること。話を聞いてくれた時点で、妻のストレスはかなり軽減されているでしょう。


Q 女からの質問
男はなぜ、セックスが終わった後
急によそよそしくなるの?

A   男はいつも自制心を忘れず、常に自分の感情をコントロールしようとしています。
   でもセックスの時だけは衝動と欲望に身をまかせ、情熱的な表現をします。
   女も同じですが、まるで別人のように自我を開放させます。しかし男は行為が終わった途端、
   ふと我にかえり、セックスに陶酔してしまった自分に一種の「照れ」を感じるようです。
   終わった後すぐにベッドから離れ、タバコを吸い始めるよそよそしい態度に
   「ひょっとして私は愛されていないのかも」と、女は一抹の不安を感じます。
   でも男は「早くクールダウンさせて、現実に戻らなければ」という焦りを感じているのかも知れません。

      考えてみれば、男性が己を解放し、衝動的な感情をさらけ出せるのはセックスの時だけかもしれません。
   その分、セックスがすべての表現に成り代わっている気がします。愛を表現したい時はもちろん、
   苦しい時も悩める時も、喜びも、怒りも、すべての感情をセックスで吐露しているようです。


    たとえば「ずっと携わってきたプロジェクトが新任の上司によって打ち切りになった。しかも、畑違いの部門に移動だなんて…
   悔しい!まるで全世界に見放された気分だ」という時も、男はセックスを求めます。
   女ならば「今日、会社でこんなことがあったの。すごくつらいの。でも、アナタだけは私の見方でいてね」と
   涙ながらに話すところを、男は話すプロセスを省いても、もやもやした感情をすべてセックスに集約させます。

    とかく男性は表現することにおいて無骨で粗野です。だけど相手を求める気持ちは、女性とさほど変わらないと思います。
   タバコを吸う彼を、「冷たい」などとなじらないであげてください。

参考文献
「男と女の心が底まで見える心理学」
B.アンジェリス(三笠書房)

Q 男からの質問
なぜ、女はリーダーに
なりたがらないのか?
(女性の管理職を増やせって言うけど、
やりたがる女性がいないじゃないか!)

A   高校の時の親友で、東大に合格できるだけの実力を持ちながら、
   「東大卒の女は嫁にいけないらしいから」という理由で、ランクを下げてK大に行った子がいました。
   頭脳明晰な彼女でしたが、意外とドジな一面もあり、「もう、ドジなんだから〜」とまわりの友達が冷やかすと、
   とても嬉しそうにしていました。賢明な彼女はこんな風に思っていたのかも知れません。
   「私、成績は優秀だけど、みんなと同じ人間なの。欠点もあってドジなの。だから、どうか敬遠しないでね」。
   横並び意識の強い女の子社会では、飛びぬけた才能を持つ者は敬遠されたり、仲間はずれにされがちだったのです。

    ドラマなどに出てくる管理職の女性は 一様に気が強く、手ごわいイメージがあります。でも実際に私が知っている
   女性のリーダーはむしろ逆で、相手の話をよく聞き、チームワークを重視し、女性らしい心配りで社内の信頼を
   得ているタイプが多いように思います。男性の部下を叱る時もやたら恐縮し、やさしく注意をうながしたり…
   管理職の女性は何かと神経を使っているようです。

    それは男女同じ教育を受けながらも「あんまり頭がいいと、モテないわよ」、「女がでしゃばると嫌われるわよ」
   なぞと、親や大人たちから言われて育ったせいかも知れません。「仕事で上を目指したい」という向上心がある一方、
   「職場のみんなや恋人や家族にも愛されたい」という気持ちがあり、その狭間で葛藤している� �うです。
   だから「リーダー性のある女性って魅力的」「主張する女ってすきだなぁ」という男女が増えれば、
   女性の管理職も、女性の政治家も、東大卒の女性の割合も、もっと増えると思うのですが…。


Q 女からの質問
なぜ、離婚した男は
すぐに再婚したがるの?
(ちょっと調子いいんじゃない?)

A   離婚する人が増えていますが、どうも男の方が離婚してもすぐに再婚するパターンが多い気がします。
   「なーんか、男って調子いい」。そういう話を仕事先の男性にしたら、「そりゃ、男が弱いからさ。俺のまわりにも
   離婚した女の知り合いがいるけど、案外ひとりでも強く生きていけるんだなぁって感じ。でも男は寂しさに耐えられない。
   だから、すぐ新しい女つくっちゃうんだよ」と言いました。(やっぱり調子いいじゃないか〜!!)

    だけど思うに、人間なんて強そうに見えて弱いか、弱そうに見えて強いかのどちらかで、
   弱い人ほど自分を強く見せようとするし強い人ほど自分の弱みを見せることへの抵抗がないもの。
   つまりは� ��間の本当の精神力なんて、比べられないのです。それに離婚した女だって、
   もちろん寂しいはずです。だけど、もし女が孤独に強いとしたら、
   それは受身であることの強さ、夫の帰りを待つ時間の中で培われた強さだと思います。

    昔は「男は強くて女は弱い」という考えが社会通念としてありました。でも最近の男たちは素直なので
   「本当は男より女の方が強いと思う」と無邪気に腹を割ってくれます。
   それに対し女たちは「なんだかんだ言っても男の人にはかなわない。女なんか、ちっぽけで意気地なしだ」と
   思っているもの。お互いが自分の「性」に劣勢を感じているのですね。
   だけどそれを認めたら惨めだし、人間、卑屈になってはいけないので、男は「� ��がり」という仮面で、
   女は「笑顔」という仮面で自分の弱さを押し隠しています。だけど、そういう生まれ持った仮面(ペルソナ)こそが、
   男と女が共倒れしないように支え合う、つっかえ棒になっている気がします。

男に愛される女の三原則

「平常心の愛」を
そそげる女

    男性の場合、つきあってほどなく恋愛感情が、信頼と安心といった感情にかわります。
   最初は情熱的だった男も、すぐに淡々とした態度になり、そのまま愛情を細々とキープさせます。
   加速することなく、低速することなく…それは女性にとって物足りないかも知れません。
   でも結婚というのは、愛情の火をいかに持続させるかです。マラソンの42.195キロを走り抜く気持ちで、
   ペース配分に気をつけながら淡々と関係を持続させる必要があります。

    色紙の寄せ書きに「平常心」という言葉を好んで書くのは、大抵が男です。
   男は感情を乱さず、常に冷静でいる自分に誇りと自信を深めるのです。それに対し、女性はわざとペースをかく乱し、
   � �情あらわに愛を確かめたくなる時があります。だけど大人の男性(未熟な男は別ですが)はそういうことを嫌います。
   「嵐の日であれ、生理の日であれ、常に同じ態度で、機嫌よくしてくれること」を望みます。

    結婚するとなおさら男は、安心しきって、妻を空気のように扱います。これを私は「結婚した男の慣性の法則」と
   呼んでいるのですが、感情をともなわず、時には惰性のように、最初の勢いだけで淡々と結婚生活を
   維持しようとします。やっぱり少し物足りないかも知れませんが、平常心の延長線上にある愛情が、
   ある日、突然、消えることも男の場合、少ないのです(熟年離婚を切り出すのは、大抵が女性です)。

    夫や恋人とうまくやりたかったら、「平常心の� ��」ということを心がけるといいでしょう。


仕事に打ち込む男を
応援できる女

    女が思っている以上に、男にとって仕事は大事です。仕事は男の人生そのものです。
   そして男にとって最高のごほうびは、「仕事の評価」と「愛する女」を同時に手に入れること。
   このふたつのごほうびはいつもセットになっています。
   「仕事で一人前と認められてこそ、女性の愛を勝ちとれる。愛する女性がいるから、仕事をがんばれる。
   仕事をがんばって社会に評価されれば、ますます女性に愛される」と考えています。
   「仕事が先か、女が先か」という問題は、まさに「鶏が先か、卵が先か」みたいなものです。


    それなのに女は「男の仕事」と「男の人生」を切り離して見る傾向があり、
   時として「仕事と私(家庭)どっちが大事なの?」と責めたりもします。
   でも、そういう言葉は「ゴールにふたつのごほうびが待っている」と思ってがんばって男に、
   「ゴールは別々にあるのよ」と言って混乱させるようなもの。男性は混乱を避けようとします。
   仕事をする自分を愛してくれる女性を恋人にしたがります。ごほうびの相乗効果を狙おうとするのです。
   彼に愛されたいのなら、仕事をする彼を誰よりも熱心に応援し、愛してあげましょう。


男に気持ちのいい
沈黙を与えられる女

    女性の場合、相手に話しかけることは、思いやりのひとつだと思っています。
   サービス精神旺盛な妻は家に帰ってきた夫に、さっそく話しかけます。
   「会社の方、どうだった?」「今日こんなことがあったのよ」。だけど夫が
   気のない返事ばかりするようなら、沈黙の中で愛を感じたいタイプなのかも知れません。
   また男性の中には、ひとりの時間を非常に大切にし、
   寡黙な場所で自分のエネルギーをたくわえないと、やっていけないタイプもいます。

    かといって、気まずい沈黙は相手を疲れさせるだけ。いつも聞き役でいる女性は
   「俺が会話をリードしなければ」というプレッシャーを男に与えます。
   「居心地のいい沈黙」という のは、なかなか難しいのですが、それができる女は間違いなくモテるでしょう。



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